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退職金にかかる所得税について

2018/08/27 税務

皆様こんにちは!
本日は退職金にかかる所得税についてです。

給与と同様に、退職金にも所得税がかかります。

しかし、退職金は給与と比べて税額が優遇されますので、
その計算方法についてお伝えしたいと思います。


①退職所得控除額の計算
まず退職所得控除額の計算を行います。
勤続年数が20年を超えているかどうかで計算方法が異なります。

20年以下の場合:40万円×勤続年数
20年を超える場合:70万円×(勤続年数-20年)+800万円
※勤続年数に1年未満の端数がある場合、1日だとしても1年として計算します。
※上記の算式によって計算した金額が80万円未満の場合は、80万円を退職所得控除額とします。


②退職所得金額の計算
退職所得の金額は下記の算式で計算します。

退職所得=(退職金の額-退職所得控除額)×1/2


③所得税額の計算

所得税額=退職所得金額×税率-控除額

加えて所得税額×2.1%が復興特別所得税として加算されます。

所得税及び復興特別所得税=所得税額+所得税額×2.1%


税率と控除額は下記の表を参照します。

退職所得金額税率控除額

1,000円から1,949,000円まで5%0円

1,950,000円から3,299,000円まで10%97,500円

3,300,000円から6,949,000円まで20%427,500円

6,950,000円から8,999,000円まで23%636,000円

9,000,000円から17,999,000円まで33%1,536,000円

18,000,000円から39,999,000円まで40%2,796,000円

40,000,000円以上45%4,796,000円

 

では、実際に金額を当てはめて計算してみましょう。

30年勤務した方が退職金を2,500万円受け取った場合で計算します。


①退職所得控除額の計算
30年勤務ですので、下記となります。
70万円×(30年-20年)+800万円=1,500万円


②退職所得金額の計算
(2,500万円-1,500万円)×1/2=500万円


③所得税額の計算
所得税額:500万円×20%-42万7,500円=57万2,500円

所得税及び復興特別所得税額:57万2,500円+57万2,500円×2.1%=58万4,522円
※別途住民税がかかります。


①で計算した所得控除額が、給与よりも大きな金額になるように設定されているため
税額が大幅に低くなります。
例えば一般的な給与所得の方は、103万円(基礎控除38万円+給与所得控除65万円)です。


経営をなさっている方に関しましては、従業員に対して退職金の積立等を行い、
従業員について税額メリットの説明をしておくことで、
長く勤務してくださる方が増えるかもしれませんね。


もしご興味がございましたら弊所までご連絡ください。

 


監査部 渡部