医療費控除について
2019/01/15 税務
平成も残すところあとわずかとなりました。次の元号も気になるところですが、
今回はその新しい元号になって初めての確定申告で役立てて欲しい医療費控除についてご説明いたします。
平成29年度より、従来の医療費控除に加えて、特定の医薬品を購入した場合にはセルフメディケーション税制という所得控除を選択して適用を受けることができるようになりました。
セルフメディケーション税制とは、健康の維持増進及び疾病の予防への取組として一定の取組を行う個人が、平成29年1月1日以降に、スイッチOTC医薬品(要指導医薬品及び一般用医薬品のうち、医療用から転用された医薬品)を購入した際に、その購入費用について所得控除を受けることができるものです。
従来の医療費控除は所得が200万円以上ある場合は、特定の医療費のうち、10万円を超えた金額が所得から控除できました。(控除できる上限額は200万円までです。)。
例)医療費が15万円の場合
医療費15万円-10万円=5万円 が医療費控除額です。
一方セルフメディケーション税制は、特定の医薬品の購入額のうち、1万2千円を超える金額が所得から控除できます。(控除上限額は8万8千円です。)
例)OTC医薬品購入額が5万円の場合
5万円-1万2千円=3万8千円 が控除額です。
ただし、セルフメディケーション税制の適用に当たっては以下の注意点があります。
(1) 適用を受けられる方
セルフメディケーション税制の適用を受けようとする年分に「一定の取組」を行っている居住者が対象となります。
「一定の取組」とは以下の1.~6.です。
1.保険者(健康保険組合、市区町村国保等)が実施する健康診査【人間ドック、各種健(検)診等】
2.市区町村が健康増進事業として行う健康診査【生活保護受給者等を対象とする健康診査】
3.予防接種【定期接種、インフルエンザワクチンの予防接種】
4.勤務先で実施する定期健康診断【事業主検診】
5.特定健康診査(いわゆるメタボ検診)、特定保健指導
6.市町村が健康増進事業として実施するがん検診
なお、申告される方が「一定の取組」を行っていることが要件とされているため、申告される方が取組を行っていない場合は、控除を受けることはできません。
(2) 特定一般用医薬品等購入費の範囲
セルフメディケーション税制の対象となる商品には、購入の際の領収書等にセルフメディケーション税制の対象商品である旨が表示されています。スイッチOTC医薬品の具体的な品目一覧は、厚生労働省ホームページに掲載の「対象品目一覧」をご覧ください。
一部の対象医薬品については、その医薬品のパッケージにセルフメディケーション税制の対象である旨を示す識別マークが掲載されています。
<セルフメディケーション税制 共通識別マーク>
このように、医療費が10万円もかからないから医療費控除が受けられなかった方でも、OTC医薬品を購入することで控除を受けることができるようになりました。
平成31年度分で医療費控除を受けるために、今から薬を購入する場合はその薬がスイッチOTC医薬品 かどうかも注意してください。
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監査部 平山