老後に年金はもらえるの?
2020/10/19 労務
みなさん『年金』についてはどのようなイメージをお持ちですか?
今回は将来的なセーフティーネットの代表格である『公的年金』のお話です。
この度、年金制度改正法(令和2年法律第40号)が成立しました。
目的は「より多くの人がこれまでよりも長期間にわたり多様な形で働くようになることが見込まれる中で、今後の社会・経済の変化を年金制度に反映し、長期化する高齢期の経済基盤の充実を図る」というものです。
もっと簡単に言えば「寿命が延び退職後の生活期間も長期化する中、高齢期における収入の柱の1本である公的年金をもらえる人を増やそう」という国の狙いです。
もらえる年金が増えることは賛成ですね。
改正の柱の1つに『被用者保険(厚生年金保険・健康保険)の適用拡大』があります。
今まで被用者保険(厚生年金保険・健康保険)に加入しない働き方をされていた人々に対して加入できる方向となっていきます。
この「加入できる」「加入しなければならない」いずれか、捉え方は人により様々かと思いますが、せっかくですので今日は「加入できる」メリットを具体的に見ていきましょう。
例えば、現在パートで働いている主婦の方の場合、被用者保険が適用されるメリットとして以下のようなことが挙げられます。
将来、基礎年金に上乗せする形で報酬比例の年金(厚生年金)が終身で受け取れる。
障害がある状態になった場合には、障害基礎年金に加えて障害厚生年金を受け取れる。
万一亡くなった場合には、ご遺族の方が遺族厚生年金を受け取れる。
医療保険(健康保険)の給付も充実し、ケガや出産によって仕事を休まなければならない場合に賃金の3分の2程度の給付を受け取ることができる(傷病手当金、出産手当金)
などなど。
もちろん今までご主人の扶養の範囲内で働いていたことで自分自身の保険料支払いが不要だった方からすると、あらたに自己負担する保険料が必要とはなりますが、将来、老齢を理由としてもらえる年金額が増えるのはやはり魅力ではないでしょうか?
個人的には長寿を“長生きリスク“と呼ぶのではなく“長生きメリット“と呼びたいなと思っています。
労務部門 担当者 福田恒久