FUKUDARYU

300円。

2020/11/09

「夢を買えるならいくらまでだしますか?」

 

こう問われて○○円と即答できる人は少ないだろう。手持ちの金額によるなーという人がいれば、自分の資産をすべて処分したら・・・などと考える人もいるかもしれない。 10月24日から、1等(7億円)と前後賞(各1.5億円)合わせて10億円が当たる年末ジャンボ宝くじがインターネット上で予約発売された。宝くじを買ったら開封せずに神棚へ。手をパンパンとたたき一礼。なんていう景色は私の実家へ行くと見ることができる風物詩。神頼みもしたくなるほど当たらない、それでも離れられない宝くじは今も昔も人々を魅了してやまない。

 

本当に当たるのだろうか?いやいやまてよ、買わないと当たらないじゃないか。おいお前さん1枚じゃダメだ。10枚買えば10倍、100枚買えば100倍の確率だ。なんて悪魔の声にささやかれながら年末ジャンボ宝くじを買おうかと考えていた私のような人にはまずは冷静にこの数字を見ていただきたい。

 

1枚買って1等が当たる確率は、2000万分の1(1ユニット2000万枚)。

 

年末ジャンボ宝くじで1等に当たる確率なのだそうだ。(1等7億22本1ユニット2000万枚22ユニット)「なんだ2000万分の1か。当たりそうじゃん。」と思われた方は私と同じで素晴らしい感覚の持ち主だ。他人が買っているのを見ると「あんなの当たらないのに(笑」と思うのに、自分が買うと「これは当たるかもしれんな(キリッ」という根拠不明の自信に満ち溢れ皮算用に突っ走るのはある意味で秀でているのかもしれない。

 

このように人は数字だけを見てもその数字が意味する重要さや、その大小といったものを正確に把握することができないことが多い。特にこのような2000万分の1といった日常生活で接することのない数字になるとなおさらだ。 では、先ほどの一文を次のように書くとどうだろう。

 

1等が当たる確率は、近所のスーパーにある5kg米袋80袋の中から目隠しをして選んだその1粒が当たりであるのと同じ。なお、このゲームは1回300円。

 

それは無理だなと急に当たる気がしなくなってくる。しかも1回300円というおまけつきだ。 確率というのはなにも難しい話でなく、このように日常生活の中から、また、経営においても様々な場面で企業の中を通過していくとても楽しいものです。時々私たちの判断を狂わせる厄介さもありますが、「自分だけは、自分だからこそ、と考えてしまうのが自分」だということをしっかりと踏まえた上で意思決定をし、一緒に考えて一緒に悩んで進んでいけるパートナーがいれば、このような確率の壮大さにも惑わされずにしっかりとした経営判断ができるかもしれません。

 

1等前後賞合わせて10億円が当たる年末ジャンボ宝くじと、1等前後賞合わせて5000万円が当たる年末ジャンボミニは11月24日から同時発売。

 

1粒(1枚)で80袋分の1ということは10粒(10枚)だと8袋分の1。100粒(100枚)だと0.8袋分の1。1000粒(1000枚)だと0.08袋分の1。掛金30万円で0.08袋分の1!おお!これなら当たる気がしてきた!むしろ絶対当たるwww ところがこれを次のように書き換えるとどうだろう。

 

「1袋に25万粒入っているので0.08袋とは2万粒のこと。」掛金30万円で2万分の1!

 

「!」

 

あなたは正しい判断ができていますか?

 

監査部 原浩恭