『直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税について』
2016/11/28 税務
皆さまおはようございます。
本日は住宅取得等資金の贈与税の非課税制度について書きたいと思います。
当制度の詳細は、国税庁HPの【直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税】にございますので、ご確認いただけると幸いです。
ここでは要約してご説明させていただきます。
先日、担当するお客様から自宅を購入する際に父からお金を援助してもらうが何か税金に影響がありますか?とのご質問をいただいたので当制度の適用を提案させていただきました。
当制度は平成27年1月1日から平成33年12月31日までの間に、父母や祖父母など直系尊属からの贈与により、自己の居住の用に供する住宅用の家屋の新築、取得又は増改築等(以下「新築等」といいます。)の対価に充てるための金銭(以下「住宅取得等資金」といいます。)を取得した場合において、一定の要件を満たすときは、非課税限度額までの金額について、贈与税が非課税となります(以下、「非課税の特例」といいます。)。
※平成28年1月1日~平成32年3月31日の非課税限度額は省エネ等住宅の場合は1,200万円、それ以外は700万円。
※消費税率が10%になりますと非課税限度額がグッと上がります。
このお客様は母から2,000万円お金を貰い、住宅を取得されるとの事で、当制度を適用しない場合は2,000万円から110万円(基礎控除)を差し引いた金額が贈与税の対象となります。
当制度を適用した場合は2,000万円から110万円と1,200万円を差し引いた金額が贈与税の対象となります。
※税率については【国税庁 贈与税 税率】で検索されてください。
結論を申しますと、このお客様は当制度の適用を選択され、2,000万円から1,200万円を差し引いた金額に相続時精算課税制度を適用する事が決まりましたので、この時点での贈与税は0円となりました。
※相続時精算課税制度については【国税庁 相続時精算課税制度】で検索されてください。
なお、直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税制度を適用した場合は仮に上記お母様がお亡くなりになった際に相続税の負担はございません。ただし、相続時精算課税制度適用部分(800万円)については相続財産に含めて相続税の計算をしないといけません。
また、当制度の注意点として母から贈与を受けた資金は必ず土地建物の取得に充てなければなりません。仮に家具雑貨等に使用した場合は当制度の対象外になります。
その他、このお客様が気にされていた事は直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税と相続時精算課税制度の両方を適用する事は準備する書類や手続きがかなり複雑になり、申告も大変なのでは?との事でした。
回答と致しましては住宅取得等資金の贈与税の非課税制度の申告と同時に相続時精算課税制度の申告が出来ますので、複雑にはなりません。
本日は贈与税や相続税が絡み、内容も浅いところまでしか記載しておりませんので、ご不明点や、適用を検討したいが関与税理士がいないという方は当事務所へご相談ください。
また、日々寒さが厳しくなりますので、お身体こわされませんよう、お気を付けください。
監査部 1課 梅北聖人