FUKUDARYU

【経理総務課 山口六平太。】

2017/08/07 日常

山口六平太。
総務部のサラリーマンの日常を描いた漫画です。
18年前、私が初めて経理の仕事を始めた時に総務経理部という部署に配属した際に勉強した本の一つです。
 
総務経理部という部署では、人手が足りない時期は、よく総務の手伝いで呼ばれました。
お姉さま方に混ざって、いろいろ叩き込まれました。
株主総会や労使協議の準備、従業員の入退社資料準備、電話番からお茶出し。資料の並べ方から配席まで。
きびきびした女性が最適な部署だと感じました。
ただ、その中でも総務という部署には、山口六平太のような方が必要と思います。
 
主人公の山口六平太は、普段ボーっとしていますが、
従業員のことを良く知り、情に厚く、上司に盾突くこともあり、時にはおせっかいなところまであります。
しかし他の従業員にはできないようなトラブルの解決を行います。そのため、会社での信頼は厚いのです。
若かりし頃に読んだ山口六平太は、何だこりゃ、総務がこんなことまでするわけないだろう、そう思いました。
歳を重ね、いっぱしの社会経験を積んだ現在読み直すと、この時代に必要な総務の在り方ではないかと真剣に思います。
 
電通問題や五輪競技場建設問題からも、ブラック企業とは、会社が従業員に「手を差し伸べる救いがない会社」のことを指すと思います。
決して過度な労働時間を認めている発言ではなく、労働環境を改善する人がいない、現状をおかしいと思う人がいない会社のことだと思うのです。
改善する考えが上層部にいないのであれば、総務部が改善する役割となるはずです。
いま日本の仕事の在り方も問われています。
従業員の労働環境を改善することはどの企業も悩ましいことでしょう。
またその一方、いまの社会は、スピードを求められます。
私が初めて経理に配属した18年前の倍以上の処理スピードを求められています。
中小企業で総務経理を兼務している方は、日々締め切りで追われていることでしょう。
 
ただ忙しさのあまり、従業員とのコミュニケーションが事務処理だけになっていないでしょうか?
外部の情報を取り入れ、会社の在り方を見つめなおすことをされていますか?
自分の会社が「手を差し伸べる救いがない会社」になっていませんか?
山口六平太なら、きっと従業員に手を差し伸べるはずです。
経営の三要素「ヒト・モノ・カネ」。
ヒトが一番初めに来ます。それほど重要な要素です。
 
昨今の労働環境問題について少し違った(かなり違った?)目線からお伝えしました。
我々税理士法人恒輝の職員も、時には山口六平太のようにお客様のおせっかいなところまで首を突っ込んでまいります。
「総務部総務課山口六平太」の作画の高井研一郎さんは、昨年2016年11月に死去されました。合掌。
 

監査部二課 吉野伸明