FUKUDARYU

【立場が違えば・・・】

2018/03/05 日常

おはようございます。

今日は3月5日です。あと10日後が所得税確定申告の期限です。

会計事務所の業界ではよく、「この時期は猫の手も借りたい・・・」という言葉をよく耳にします。

確かに今、この瞬間にも私自身の中にそう思う自分がいることを否定できません。

 

先日、とあるお客様とお会いしました。その方はお会いすると必ず、

こちらの様子をお気遣いいただく方です。その日も「この時期、お忙しいんでしょう?」との言葉を頂戴いたしました。

 

その言葉を聞いて一瞬、「ハッ!」としました。その時の私の頭の中には次のようなことが浮かんでいました。

 

・忙しいオーラが顔に出ていたのか?

・そんなに切羽詰まった様子だったのか?

・余裕がなさそうな人に仕事を依頼して不安になっていないか?

・もし、上記のようなことを感じさせてしまっていたら、まだまだ青いな自分!   などなど・・・

 

例えば、自分が体調を崩して病院に行ったとします。そしてその病院のスタッフがとてもバタついていたら・・・

自分だったら不安になってしまいます。もし、その方がそのようなことを少しでも感じて、先ほどの言葉をかけて下さったのであれば、これは問題です。

 

ただ、その方は会えば必ずこちらのことをお気遣いいただく言葉をかけてくださる方なので、私の頭に浮かんだ様々なことは杞憂だっただろうと思っています。

 

学生時代にとあるサービス業でアルバイトをしていました。
そのサービス業は繁忙期・閑散期が非常にはっきりしていて、私たちアルバイトスタッフは繁忙期を中心に雇われていました。
当然、私も繁忙期にアルバイトをしていた訳ですが、その時、そのアルバイト先の社長が話してくれた言葉を思い出しました。

 

「この業界は、忙しい時期が集中していてホント大変なんだよね。お客さんが集中して、スタッフのみんなに大変な思いをさせていると思っているよ。
忙しいとさ、私も含め仕事をさばくことに意識が向いてしまうけど、少し考えてほしいんだ。
お客さんがウチに来てくれたのはウチのサービスを受けに来てくれているんだよ。
お客さんもこの時期は混雑していることを理解して来てくれている方がほとんどだし、お客さんにとっては、ウチに来ることをずっと前からとても楽しみにしていたんだと思うんだ。だから、そのことをよく考えてひとりひとりのお客さんに接してほしい。みんなはアルバイトだけどお客さんから見たら全員がウチのスタッフだからさ。よろしく頼むよ・・・」

 

確か、こんな内容だったと思います。自分も歳を重ねたらこんなふうになりたい、当時そう思ったことを記憶しています。

 

このような話は、時期により繁忙期と閑散期がはっきりしている業種ではどこにでもあることだと思います。サービスを提供する側と受ける側。異なる立場の視点では物事は全く違った様子に見えるのはよくあることです。言わずもがなですが、私たち税理士事務所におけるこの時期の中心的な仕事は、クライアントの皆様が1年間お仕事を頑張ってこられた結果を数字にまとめ、ご本人様へ報告し、税務署にも申告するというものです。

 

制度の都合上、業務が集中することにはなりますが、おひとりおひとりにとっての1年間の集大成です。頭の中は書類と向き合い、胸の中では皆様のお顔を思い浮かべながら丁寧に仕事を進めていこう、改めてそう思った出来事でした。

当たり前すぎるほど当たり前なことですが、あの社長が言わんとしていたことを忘れずに業務に邁進していく所存です。

 

 

監査部2課

波多江正暁