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【国際観光旅客税(仮称)の創設】

2018/04/09 税務

平成 29 年 12 月 22 日 閣議決定された平成 30 年度税制改正の大綱を見返してみると「国際観光旅客税(仮称)の創設」と書いてあったので、詳しく調べてみる事にしました。

 

 

【概要】

国際観光旅客税(仮称)とは、平成 31 年1月7日以後の出国旅客に定額・一律(1,000 円)の負担を求めるもので、日本人、外国人を問わず日本を出国する旅行者らから、1人1回1,000円を航空券などの代金に上乗せして徴収する。

 

 

2歳未満の子どもと、海外から到着して24時間以内に出国する乗り継ぎ客は除外する。16年の出国者数約4100万人(日本人約1700万人、訪日客約2400万人)で計算すると、約410億円の財源規模となる。政府・与党は当初、19年4月の導入を検討していたが、中国からの観光客が増える旧正月(2月)前で、日本人の年末年始の休暇が終わる1月初旬に前倒しした。恒久的に徴収する国税としては、1992年に導入された地価税以来となる。

 

 

【導入の目的】

観光は、双方向の国際交流を通じた相互理解の増進はもとより、本格的な少子高齢化・人口減少を迎える中で、真に我が国の成長戦略と地方創生の大きな柱である。このような認識の下、昨年3月に策定した「明日の日本を支える観光ビジョン」においては、2020 年訪日外国人旅行者数 4,000 万人、2030 年 6,000 万人等の大きな目標を掲げ、観光を我が国の基幹産業へと成長させ、「観光先進国」の実現を図るため、政府一丸、官民を挙げて取り組んでいるところである。観光ビジョンに掲げた目標の確実な達成のためには、今後さらに増加する観光需要に対し、より高次元な観光施策を展開していく必要がある。このような観点から、2020 年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の前に財源を確保し観光施策を着実に実施する必要性も踏まえ、「平成 30 年度税制改正の大綱」において、観光促進のための税として平成 31 年1月7日より国際観光旅客税(仮称)を創設し、観光先進国実現に向けた観光基盤の拡充・強化を図るための恒久的な財源を確保することとしたものである。

(参照:官公庁HP 「国際観光旅客税(仮称)の使途に関する基本方針等について」)

 

 

【税収の使途】

税収は、観光関連の政策に使う。具体的には

   ①  ストレスフリーで快適に旅行できる環境の整備

        ※具体例…最新技術を活用した顔認証ゲート等

   ②  我が国の多様な魅力に関する情報の入手の容易化

   ③  観光資源の整備等による地域での体験滞在の満足度向上

    に使われる。税収は、無駄遣いが指摘される特定財源とはせず、一般会計に入れて配分する。

 

 今後、この国際観光旅客税によって新たに増える約410億円の税金を是非有効に使ってもらいたいと願っております。


 

監査部3課

柴田